サムネイルの写真は、今年初めて作った草うねに意気揚々と人参の種をまき、
そのまま見事に失敗したときのものです。笑

今までマルチをする高畝は、すじまきがいい人参ができなかったので、
「草畝だったらマルチなしなのでできるじゃん!」と思ってワクワクで蒔いたのですが...

発芽はしたものの、一向に大きくなりません…。

でも、この失敗から大事な学びがあったので、
ぜひみなさんにもシェアさせてください📖


つくづく野菜づくりは下手くそだし、向いていないなぁと思います😂
でも、上手じゃなくても楽しいんです。
「やることに意味がある!」
そう思って、毎日の声かけは精一杯やっています。笑


草畝を開始してすぐ人参を植えたらダメ!?😳その理由は?


私:「草畝に人参の種をまいたら発芽したんですが、育たないんです...」

菌ちゃん先生:「まず、草畝を開始してすぐ人参を植えたらダメです」

私:「えぇーーーーーー!!!!そうなんですか!!!???」


なんていうんでしょう……
やってしまった感と、
失敗から学べることへの喜びが同時にくると、嬉しくなってしまいます笑


まず草バージョンの基本の仕組みはこうでした👇

1.細菌類が草(=窒素分を含む)を食べる
2.草の窒素が細菌の体内に蓄えられる
3.その細菌が死ぬ
4.死骸が“肥料”になる(=菌体肥料)


つまり、草を細菌が食べ、細菌が死ぬことで、その死骸が肥料になる。
これが「菌体肥料」✨
草バージョンは、草を通して肥料が供給され続ける菌ちゃん農法なのです。

だからこそ、
草はずっと“たっぷり”乗せ続けることが大前提。


草をどば〜っとたくさん乗せて、約2ヶ月ほど置くと植え付けが可能になります。
草をたっぷり乗せると、草の下約1〜2cmくらいの浅い層に“肥料ゾーン”ができます。


言い換えると、草を乗せて2ヶ月では、 草の下約1〜2cmほどにしか肥料がなく、
土そのものはまだ肥沃になっていない状態です。
(もともと肥沃な土なら別ですが、一般的にはそうではありません)

そのため、草畝を始めたばかりで最初に植えるのは 苗か大きな種がおすすめ。
(理由はあとで説明します)

ところが私は……
よりによって 種が小さ〜い人参 を植えてみたのです。

しかも人参といえば、すじまきの代表格。

種をすじまきでまこうとしたら、草がどうしても邪魔で…
「すじまき部分だけ草を避けよう」と思っても、
細かく刻んだ草ではないので、“ベロっと”剥がす感じにしかならず。
(草畝では、のせる草は細かくカットしないのがポイントです)

さらに、人参は発芽に光が必要。
「草をまたどばっと戻したら光が入らないのでは?」
という不安があり、避けた草を    薄〜くしか戻せませんでした。

その結果、
発芽はしたものの、そこからほとんど大きくならず……。

草が足りないことは頭ではわかっていたのですが、
「草をかけすぎたら光合成できないのでは?」という不安があり、
つい控えめにしてしまったのです。

すると案の定、待っても待っても、声をかけても(←菌ちゃん頼みすぎる)大きくならない!!!!😭


🌱ここで勘違いポイント①

光が好きな種でも、草がかぶっているぐらいでOK。
ほのかに明るい程度なら発芽に問題なし。
真っ暗(暗黒状態)でなければOKだったのです。

つまり、
すじまきのために草を剥がしたことで、種を肥料ゾーンから切り離し、
さらに薄くしか戻さなかったことで菌体肥料が不足し、栄養が届かなかった のです。

結果、人参は育たず……というわけでした。
それでもまだ頑張って生きようとしている姿に感動...遅いかもしれませんが、すぐたっぷりの草をのせてみました...


では人参を育てるのにどうしたらよかったのか?

💡結論:草をどかしても影響が出ないほど“土そのものを肥沃”にしてから育てる!

どうやって?

1〜2年の間、
・草をずっとたっぷり乗せ続ける
・苗や大きな種の野菜を育てる

このセットを繰り返すことで、土そのものが栄養たっぷりの状態に変わっていきます。

草を乗せ続けると、草の栄養の多くが
細菌が食べ → 死骸(菌体肥料) → 腐植(分解しにくい安定肥料)
という流れで土に蓄積されていきます。

さらに、

・野菜の根っこそのものが土のエサになり
・野菜が光合成で蓄えた栄養を土に蓄える
土の中に肥料がどんどん溜まっていきます。

1〜2年すると、土の中では微生物も増え、団粒構造が育ち
土がふかっとした肥沃な土に育っていきます。

この状態になって初めて、
草をよけても肥料が土そのものにあるので、人参のようなすじまき野菜も育つようになるようです。


なぜ肥沃な土になるまでは、苗や大きい種がいいのか?

苗や大きい種には、
自分で根っこを伸ばすためのエネルギー(でんぷん)がたっぷり入っています。

なので、植えられたその場所に、光がなくても栄養がなくても、なんとか自力で根を伸ばし、肥料がある場所(草の下)まで辿りつける。

そして、そこに到達してしまえば、あとはモリモリ育つ。

例えば、
スイカやカボチャの苗を植えると、
根っこはぐんぐん下へ伸びていき、遠い場所までどんどん広がっていきます。

そして、少し離れたところにある“草の下の肥料ゾーン” にも、
自分の力で 1週間もあれば到達できるようです。

大きい種も同じで、
種の中にエネルギー(でんぷん)をたっぷり持っているので、
発芽した場所に栄養がなくても、光が当たらなくても、
種の中にあるエネルギーを使って根を伸ばし、肥料ゾーンまで辿りつくことができます。


一方で、人参はどうでしょうか?

人参の種はとても小さく、
“伸びるための情報” は持っていても、
”根を伸ばすためのエネルギー"がほとんど入っていません。

そのため、たとえ1週間あったとしても、
発芽した場所に栄養がないと、
少し離れた草の下の肥料ゾーンまで根を伸ばす力がありません。

発芽したその場所に栄養がなければ、人参は前に進めないのです。


◎ 苗や大きい種
→ 最初から“体力”がある
→ 植えられたその場所に栄養がなくても、少し離れた草の下の肥料ゾーンまで自力で伸びていって肥料を探せる

◎ 小さい種(人参)
→ 体力がほとんどない
→ 最初の一歩で必要な栄養がないと進めない
→ 草を剥がすと、肥料ゾーンと切り離され、その瞬間肥料不足で育たない



なので、 土が肥沃になるまでは、苗や大きい種の方が育ちやすいということですね。

土がまだ育ち途中の草畝1〜2年目は、
「自力でも肥料ゾーンまで伸びていける野菜=苗や大きい種」がおすすめということです。

🌱これは“種の成長戦略”そのもの


植物の種は、それぞれ 「どうやって発芽し、生き残り、成長していくか」 という戦略を持っているのですね。

植物によって生き延びるために最適な方法が違う

・大きい種 → 少数精鋭、確実に育つ
・小さい種 → 数をたくさん撒いて、適した環境の所だけ生き延びる

まさに自然界の知恵ですね✨

面白い!!感動!!奥が深い!!もっともっと知りたくなりました!!


来年こそは美味しい人参を食べたいな〜🥕☺️